「キャリアコンサルタントになりたいけど、何から始めればいいの?」という方へ
キャリアコンサルタントという仕事に興味を持つ人は年々増えています。
「人の役に立ちたい」「働く悩みに寄り添いたい」と思う方にとって、魅力的な国家資格です。
ですが、いざ調べてみると…。
「国家資格って、具体的にどんな仕組み?」
「法律との関係ってどうなってるの?」
「そもそも、どうすれば取れるの?」
そんな疑問にぶつかる方がとても多いです。
私自身も、実際にキャリアコンサルタント資格を取得した経験があります。
取得を目指す中で感じたのは、「情報がバラバラでわかりづらい」ということ。
この記事では、キャリアコンサルタントの法的な位置づけから、資格取得の流れ、そして実際に目指して感じたリアルな声まで、体系的に丁寧に解説していきます。
これからキャリアコンサルタントを目指したい方へ、
安心して学び始められる第一歩となるようにまとめました。
第1章|キャリアコンサルタントとは?役割・活躍の場と求められるスキル
キャリアコンサルタントとは、働く人の職業選択や能力開発をサポートする国家資格者です。
厚生労働省の定義では、次のように示されています。
働く人の職業能力の開発や職業選択・職業生活設計に関する相談に応じ、助言や情報の提供を行う専門職(出典:厚生労働省)
つまり、単なる「相談役」ではなく、その人の人生設計や成長に寄り添い、方向性を一緒に考える専門家という位置づけです。
✅ 活躍の場は広がっている
キャリアコンサルタントの活躍フィールドは年々広がっています。
代表的な活躍先としては以下のようなものがあります👇
🔹 ハローワークなどの公的機関
🔹 企業の人事・人材開発部門
🔹 大学や専門学校などの教育機関
🔹 転職エージェントやキャリア支援企業
🔹 フリーランスとして独立開業
特に近年では、副業・フリーランス人材の増加や働き方の多様化により、キャリアの相談ニーズが急増しています。
資格を活かして独立・副業として活動する方も珍しくありません。
✅ キャリアコンサルタントに求められる力とは?
国家資格である以上、一定の知識はもちろん必要です。
ですが、最も重視されるのは「相手の話を受け止め、共感しながら引き出す力」です。
求められる主なスキルは以下のとおりです。
💬 傾聴力(話をさえぎらず、最後まで聴く姿勢)
💡 問題整理力(相談者の課題を整理し、言語化する力)
🧠 キャリア理論・心理学の知識(理論的裏付けを持つ)
🗣 コミュニケーション力(安心感のある対話と表現)
✍️ 実際に資格を目指して感じたこと
私自身もこの資格を目指した際、「知識よりも“人とどう向き合うか”が問われる資格だ」と強く感じました。
マニュアル通りでは通用しない。
相談者一人ひとりと、どう誠実に関わるか。
その姿勢が、試験でも現場でも問われてきます。
次章では、キャリアコンサルタント資格の「法的な位置づけ」と「名称独占資格としての特徴」について、詳しく解説していきます。
第2章|キャリアコンサルタントの法的位置づけと法的要件
キャリアコンサルタントは、2016年4月に国家資格として正式に制度化された資格です。
この資格は、「職業能力開発促進法」という法律に基づいて定められています。
✅ 名称独占資格であることに注意
キャリアコンサルタントは、「名称独占資格」の国家資格です。
これはつまり、資格を取得・登録していない人は「キャリアコンサルタント」と名乗れないということです。
ただし、「キャリア支援」や「進路相談」といった活動そのものは資格がなくても行えます。
ですが、国家資格者として信頼を得るには「名称独占」の意味は非常に大きいといえます。
✅ 国家資格としての位置づけ
厚生労働省により、キャリアコンサルタントには以下のような法的な役割が定義されています👇
“労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発および向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行う者”(職業能力開発促進法第30条の2)
つまり、労働者のキャリア形成を支援する「専門職」として、法律のもと活動する資格者なのです。
✅ 登録の義務と有効期限
試験に合格しただけでは、正式なキャリアコンサルタントとはなれません。
以下のような登録手続きを経て、初めて「キャリアコンサルタント」を名乗ることができます。
📌 登録に関するポイント:
- 厚生労働大臣が指定する機関に「キャリアコンサルタント登録申請」が必要
- 受験費用は学科試験が8,900円、実技試験が29,900円(2025年7月1日時点)
- 登録料は8,000円(別途、登録免許税が9,000円)
- 登録の有効期間は5年間
- 更新には知識の補充・技能の維持を目的とした講習の受講が義務
✅ 実務独占資格ではないけれど、“信頼”が違う
キャリアコンサルタントは、医師や弁護士のような「業務独占資格」ではありません。
つまり、資格を持っていない人がキャリア相談そのものをしても違法ではありません。
しかし、公的機関・企業・学校などで信頼を得て活動するには、やはり国家資格であることが重要視されます。
キャリアコンサルタントの資格は、信頼獲得の入口にはなります。
しかしその後の関係性構築には、あなた自身のスキルが求められます。
次章では、いよいよ「資格取得までの具体的なステップ」を解説していきます。
未経験からでも無理なく目指せるよう、順を追って丁寧にお伝えします!
第3章|キャリアコンサルタント資格取得までのステップ|未経験でも目指せるが実務経験者は講習免除も可能
キャリアコンサルタントの国家試験は、主に2つのルートで受験資格を得ることができます。
受験資格は以下のいずれかを満たす必要があります。
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者(講習カリキュラムは別表に記載)
- 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験※を有する者
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
- 上記の項目と同等以上の能力を有する者
(出典:厚生労働省)
✅ ルート①:厚労省認定の「養成講習」を修了する(未経験者・一般向け)
もっとも一般的なルートです。
キャリア支援に関する実務経験がない、もしくは浅い方はこちらが基本となります。
📌 概要:
- 厚生労働大臣認定の養成講習(150時間以上)を受講
- 修了すると国家試験の受験資格を得られる
- 通学・オンライン・通信など形式は多様
📌 費用と期間の目安:
- 約20〜30万円(教育訓練給付金の対象講座あり)
- 約2〜4ヶ月(週末コースや夜間対応も多数)
▶ 補足:
各団体が主催する講座は、初学者のインプットにはピッタリ。
また大きな強みとして、実技試験の練習をサポートしてもらえることが◎
独学の場合、練習相手やフィードバックがもらえず、対策が難しいことも、、、
✅ ルート②:一定の実務経験があれば、講習なしで受験可能
「実務経験」をもとに受験する場合、以下に該当する必要があります。
📌 対象となる方:
1.(1)キャリアコンサルタント試験の受験資格における「経験」、3.キャリアコンサルタントの登録の更新における「キャリアコンサルティングの実務に従事」に該当するかどうかは、以下のいずれも適合するかどうかという考え方を基準に、個別に判断することになります。
キャリアコンサルティングによる支援対象者が、「労働者」であること。なお、ここでいう労働者とは、現在就業している方のみならず、現在仕事を探している求職者(ハローワーク等の職業紹介機関に求職の申込みを行っている方、学卒就職希望者等)を含みます。
相談の内容・目的が職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上に関するものであること。
キャリアコンサルティングが一対一で行われるもの、又はこれに準ずるもの(少人数(概ね6名以内)グループワークの運営等)であること(情報提供に止まるもの、授業・訓練の運営そのもの等は含みません)。
(出典:厚生労働省)
📌 証明方法:
- 実務経験証明書の提出
- 内容と期間が審査され、要件を満たせば受験資格が認められる
実務経験証明書はこちらから確認いただけます
▶ 補足:
実務経験があっても、相談技法や理論はほぼ1から勉強する必要があります。
そのため、独学+対策講座の受講を並行する人も多いです。
また、実技試験対策のためにも対策講座を受講する方もいらっしゃいます。
✅ 国家試験の流れ(共通)
どちらのルートであっても、試験内容は変わりません👇
学科試験(マーク式)
論述試験(ケーススタディ)
面接試験(ロールプレイ+口頭質問)
試験は、年に3回(1月・5月・11月)実施されています。
主催団体は2つ:
- キャリアコンサルティング協議会(CC協議会)
- 日本キャリア開発協会(JCDA)
いずれも国家資格としての効力は同等です。
✅ 登録申請をもって正式な「国家資格者」に
試験合格後、「キャリアコンサルタント」と名乗るには、登録申請が必要です。
📌 登録概要:
- 登録費用:8,000円 + 登録免許税9,000円(2025年7月1日現在)
- 登録期間:5年間
- 更新には知識・技能維持の講習が義務付けられます
未経験の方でも講習を受けることで十分に合格を目指せますし、現場経験が豊富な方は講習免除で受験できる柔軟な制度設計です。
次章では、「資格取得後に必要な更新制度やスキルアップ」について詳しく解説します。
第4章|資格取得後のキャリアとステップアップ|広がる選択肢と現実的な働き方
キャリアコンサルタント資格は、取得して終わりではありません。
むしろ、取得後からが本当のスタートとも言えます。
この章では、資格を取った後に描ける仕事・キャリア、さらにスキルアップの道について解説します。
✅ 資格取得後の主な活躍フィールド
キャリアコンサルタントはさまざまな現場で活躍できます。
以下は実際に多く見られる就業先・業務例です。
【企業の人事・人材開発部門】
- 社員のキャリア面談・1on1支援
- 配置・異動に関するキャリア相談
- メンタルヘルスケアや定着支援
【大学・専門学校】
- 就職支援課での学生向けキャリア相談
- エントリーシート添削・模擬面接
- 学外インターンシップのコーディネート
【公的機関・ハローワーク等】
- 再就職希望者の職業相談・訓練支援
- 地方自治体の就労支援事業への参画
【転職支援・人材紹介会社】
- 転職希望者とのキャリアカウンセリング
- 求人紹介とのマッチング業務
- キャリア設計を含む面談サポート
【フリーランス・副業】
- 個人や企業からのキャリア相談を受託
- オンライン相談サービス(例:ココナラ)で活動
- キャリア系セミナーやワークショップの講師
✅ ステップアップのための制度・資格
キャリアコンサルタントとして長く活躍するには、継続的な学びと資格の更新が欠かせません。
🔸【更新制度(5年ごと)】
- 所定の知識講習(8時間)+技能講習(8時間)の受講が必要
- 「最新の労働法制度」「ロールプレイ演習」などを含む
- 更新講習の費用:概ね1〜3万円
🔸【上位資格:キャリアコンサルティング技能士】
国家資格キャリアコンサルタントの上位に位置づけられる技能検定です。
- 2級(指導者レベル)/1級(熟練指導者レベル)
- より専門的な現場(教育機関・企業研修等)での指導的役割を担える
- 試験は実技・論述中心で実務経験が求められる
✅ 実際に描けるキャリアの一例
社会人経験を活かして「大学キャリアセンターで学生支援」
会社員として働きながら「週末副業でキャリア相談を請け負う」
メンタルケア+キャリア支援を合わせ「職場の相談員」として企業常駐
キャリア教育の講師・研修ファシリテーターとして独立開業
▶ 実体験:
私自身も、資格取得後は副業として相談実務を始め、転職希望者やスキルアップを目指したい方の支援をしています。
単なる「相談役」ではなく、「人の選択を支える専門家」としての信頼が生まれるのを実感しています。
キャリアコンサルタントは、自分自身の働き方も“主体的に選び直せる資格”です。
次章では、「よくある疑問」や「受験時の不安」についてQ&A形式でお答えします。
第5章|よくある質問(Q&A)で不安を解消しよう
資格取得やキャリア形成にあたって、
「自分にできるのかな?」
「何か制限があるのでは?」
と、不安を感じる方も多いです。
ここでは、実際によく寄せられる疑問をピックアップし、わかりやすく回答していきます。
Q1:年齢制限はありますか?
🅰 ありません。
キャリアコンサルタントは年齢不問の国家資格です。
実際、40代・50代から取得する方も多く、人生経験がむしろ強みになる職種です。
Q2:文系・理系など、学歴や専攻は関係ありますか?
🅰 関係ありません。
文系・理系にかかわらず、誰でも受験資格を満たせば取得可能です。
相談の仕事においては、専門知識よりも「共感力」「信頼関係を築く力」が問われます。
Q3:実務経験がないのですが、合格できますか?
🅰 はい、未経験からでも合格可能です。
多くの方が「養成講習」で基礎知識と実技を身につけ、合格しています。
講習機関では、ロールプレイ・模擬試験など充実したサポートが用意されています。
Q4:仕事をしながら資格を目指すことはできますか?
🅰 できます。
多くの講習機関が夜間・週末コースやオンライン対応を整えており、社会人でも無理なく学べます。
私も働きながら週末中心のコースで学び、合格しました。
Q5:資格を取得しても、すぐに仕事はありますか?
🅰 個人差はありますが、ニーズの高まりから求人は増えています。
特に、大学・人材会社・自治体事業などで「国家資格保有者」を条件にする採用が増加中です。
副業・フリーで実績を積みながら信頼を得ていくケースも多く見られます。
Q6:キャリアコンサルティング技能士との違いは?
🅰 「キャリアコンサルタント」は国家資格の基礎レベル、
「技能士(2級・1級)」はその上位資格です。
まずはキャリアコンサルタントとして実務経験を積み、必要に応じて技能士を目指す形になります。
このように、多くの人が同じ不安を感じながら、資格取得・キャリア構築に成功しています。
次章では最後に、この記事の総まとめと、これから目指す方へのメッセージをお届けします。
まとめ|キャリアコンサルタントは「人を支えながら、自分のキャリアも広がる」国家資格
キャリアコンサルタントは、
人の働き方・生き方に深く関わる国家資格です。
専門知識はもちろん必要ですが、
なにより求められるのは「相手に寄り添う力」です。
未経験からでも、養成講習や実務経験を経てしっかりと目指せる制度が整っており、
資格取得後は企業・教育現場・副業・独立など、幅広いキャリアが描けます。
国家資格でありながら、「人生経験」や「人間性」が活かされる職業でもあります。
これから目指す方も、ぜひ一歩踏み出してみてください。
キャリアを支えるプロとして、あなた自身の人生もまた、より豊かに広がっていくはずです!
お問い合わせ
「キャリアコンサルタントを目指したいけど、何から始めればいいか不安…」
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実際に資格を取得した経験をもとに、あなたの状況に合わせてアドバイスさせていただきます。
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