転職エージェントとの面談で話すことは、大きく「これまでの経歴」「転職理由」「希望条件」「転職時期」の4つです。事前に経歴の棚卸しと希望条件の優先順位づけをしておけば、初回面談は十分に機能します。転職の意思が固まっていない段階で面談を受けることも一般的です。
この記事では、面談で聞かれる質問の一覧表と回答例、当日の流れ、事前準備リスト、そして紹介会社側の本音(利益相反)まで、有料職業紹介事業者である合同会社Via Novaの編集部が解説します。
- 聞かれる質問は「経歴」「転職理由」「希望条件」「転職時期」の4系統+他社エージェントの利用状況と現職に残る可能性の確認
- 初回面談は経歴確認から求人紹介まで5つのステップで進む(所要時間は紹介会社によって異なる)
- 準備は経歴メモ・希望条件の優先順位・転職理由の言語化・質問リストの4点で足りる
- 現職の機密情報や答えたくない事情は無理に話さなくてよい
- 紹介会社の収益源は企業側の成功報酬。構造を知って主体的に使う
転職エージェントとの面談で聞かれる質問は?【回答例つき一覧表】
転職エージェントとの面談で聞かれる質問は、経歴・転職理由・希望条件・転職時期の4系統が中心です。これに加えて、他社エージェントの利用状況と、現職に残る可能性の2点を確認されることがあります。
| 質問 | 質問の意図 | 回答のポイント |
|---|---|---|
| これまでの経歴を教えてください | 紹介できる求人の範囲を判断する | 「直近は〇〇業界で△△を担当し、□□の成果がありました」と直近から要約する |
| 転職を考えた理由は? | 定着リスクと譲れない条件の把握 | 不満だけで終わらせず「次に実現したいこと」を1つ添える |
| 希望条件は?(年収・勤務地・働き方) | 求人マッチングの絞り込み | 「必須の条件」と「妥協できる条件」を分けて伝える |
| いつまでに転職したいですか? | 支援の優先度とスケジュール設計 | 未定なら「良い求人があれば」と正直に。急ぐ必要はない |
| 他社エージェントや応募状況は? | 選考の重複防止と全体調整 | 事実をそのまま共有すると応募の重複トラブルを防げる |
| 現職に残る選択肢はありますか? | 本気度と迷いの確認 | 迷いがあれば正直に。相談段階でも面談は成立する |
そのまま使える回答例
次の5つは、面談でそのまま口に出せる形にした回答例です。〇〇・△△・□□にはご自身の業界名・業務内容・金額を入れてお使いください。
- 転職理由:「現職では〇〇の経験は積めましたが、△△に関わる機会がないため、そこに携われる環境を探しています」
- 希望条件:「年収は□□万円以上が必須です。勤務地と働き方は、条件次第で相談できます」
- 転職時期:「時期は決めていません。良い求人があれば、という段階です」
- 他社の利用状況:「他社2社と面談済みで、うち1社経由で1件応募しています」
- 現職に残る選択肢:「正直まだ迷っています。比較材料が欲しくて相談しました」
回答は完璧である必要はありません。特に転職理由は、前向きな軸まで言語化しておくと紹介される求人の精度が上がります。なお、エージェント経由と自己応募の使い分けで迷っている方は、転職エージェント vs 自己応募の記事から読むのがおすすめです。
面談当日の流れはどう進む?
初回面談は、経歴確認から求人紹介まで次の5つのステップで進みます。所要時間は紹介会社によって異なるため、申込時の案内で確認してください。
- 自己紹介・面談の目的確認
- 経歴のヒアリング:職務経歴を時系列で確認
- 転職理由・希望条件のヒアリング:条件の優先順位を整理
- 求人紹介・市場感の共有:この場で応募を決めなくてよい
- 今後の進め方の確認:連絡手段と頻度を決める
面談形式(オンライン/対面)と服装の指定は紹介会社によって異なります。申込後の案内に記載がない場合は、担当者に確認しておくと安心です。面談は企業の選考ではありませんが、受け答えの内容は担当者が企業へ送る推薦文の材料になることがあります。時間厳守と事実ベースの回答は意識しておきましょう。
面談前に準備しておくことは?【チェックリスト】
面談前の準備は、経歴メモ・希望条件の優先順位づけ・転職理由の言語化・エージェントへの質問リストの4点で十分です(履歴書・職務経歴書は任意)。
- 経歴メモ:社名・在籍期間・役割・実績を箇条書きにする
- 希望条件の整理:年収・勤務地・働き方を「必須」と「歓迎」に分ける
- 転職理由の言語化:不満に加えて「次に実現したいこと」を1行で
- 質問リスト:自分の市場価値、求人の傾向、選考スケジュールの目安など
- 履歴書・職務経歴書(任意):未完成でも面談は受けられる
職務経歴書は、面談後の応募段階までに整えれば間に合います。書き方は採用担当者に刺さる職務経歴書の書き方で詳しく解説しています。
面談で話すべきこと・無理に話さなくてよいことは?
本音の転職理由と希望年収は話すべき情報、現職の機密や答えたくない私的な事情は話さなくてよい情報です。
話すべきこと
- 本音の転職理由(建前だけだと求人のミスマッチが起きる)
- 希望年収の下限(隠すと条件の合わない求人が届き続ける)
- 他社エージェントの利用状況・応募状況(選考の重複を防ぐため)
- 転居の可否など、求人選定の前提になる働き方の事情
無理に話さなくてよいこと
- 現職の機密情報・顧客情報(守秘義務は転職活動中も有効)
- 答えたくないプライベートの事情
- その場での応募の意思決定(持ち帰って検討してよい)
迷ったら「求人選びの前提になる情報かどうか」で判断してください。前提になる情報を隠すとマッチングの精度が下がり、結果的に遠回りになります。
なお、面談で伝えた個人情報の扱いには法律上のルールがあります。職業安定法5条の5第1項は、職業紹介事業者や求人者などが求職者の個人情報を収集・保管・使用する際、業務の目的の達成に必要な範囲内で、その目的を明らかにして収集し、収集目的の範囲内で保管・使用しなければならないと定めています(本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合を除く)。同条2項では、個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じることも義務づけられています(職業安定法・e-Gov法令検索)。
つまり、求人紹介という目的から離れた情報まで答える義務はありません。答えにくい質問をされたときは「その情報は何に使われますか」と目的を確認して構いません。
また、登録シートや職務経歴書のように、書面(電磁的記録を含む)で直接個人情報を提供する場面では、個人情報保護法21条2項により、紹介会社はあらかじめ利用目的を本人に明示する義務があります(生命・身体・財産の保護のために緊急に必要な場合を除く)。利用目的の説明がないまま書面の提出を求められたときは、その場で確認して構いません。
面談後の連絡と選考はどう進む?
面談後は求人紹介の連絡があり、応募・書類選考・面接・内定・条件交渉の順に進みます。
連絡が1週間以上ない場合は、こちらからメール等で状況を確認しても問題ありません。紹介された求人に応募するかどうかを決めるのは求職者自身です。紹介された求人を断ること自体に問題はありません。
厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年7月31日公表)によると、2026年6月の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍、正社員に限った有効求人倍率も1.00倍でした。この統計はハローワークが取り扱う求人・求職が対象で、有効求人倍率は有効求人数を有効求職者数で割った値です。1.18倍は、求職者1人あたり1.18件の求人がある状態を指します。
求人が一定数ある市場ですから、焦って希望と異なる求人に応募を重ねる必要はありません。
応募後に面接へ進んだら、エージェントに想定質問や過去の選考傾向を確認しましょう。話すのが苦手な方は面接で緊張して話せない人がスムーズに受け答えできる方法も参考になります。
転職エージェントの本音とは?知っておきたい利益相反
紹介会社の収益は採用企業が支払う成功報酬のため、転職の決定を後押ししやすい構造的な利益相反があります。
求職者が原則として無料で転職エージェントを利用できるのは、職業安定法32条の3第2項により、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を受け取ることが原則として禁じられているためです(職業安定法・e-Gov法令検索)。収益は、採用が決まった際に企業側から支払われる成功報酬が中心になります。
この仕組みには利益相反が内在します。転職が決まらなければ紹介会社の売上は立たないため、担当者には「内定承諾を後押ししたい」動機が構造上働きます。担当者個人の善悪ではなく、ビジネスモデルの性質です。
だからこそ、決定を急かさない・断る選択肢を認める・条件に合わない求人を無理に勧めない担当者かどうかを、面談の段階で見極めてください。
合同会社Via Nova(有料職業紹介事業許可番号:14-ユ-302463)も同じ構造の中で事業を行っています。当社の人材紹介も完全成功報酬型で、採用が決まったときに採用企業から想定年収の30%〜を紹介手数料として受け取る形をとっており、求職者の方から費用をいただくことはありません。同じ利益相反を抱える立場だからこそ、この点は最初に開示すべきだと考えています。制度の条文は職業安定法(e-Gov法令検索)で確認できます。
よくある質問
転職エージェントとの面談でよくある疑問を5つにまとめました。転職意思の固まり具合・服装・費用・年齢・複数社の併用について順に整理します。
転職の意思が固まっていなくても面談を受けていいですか?
問題ありません。情報収集の段階で面談を受けることは一般的です。その旨を正直に伝えれば、市場感の共有を中心にした面談にしてもらえます。無理に応募を決める必要はありません。
面談の服装はスーツでないとだめですか?
スーツは必須ではありません。企業との面接ではないため、服装の指定を設けていない紹介会社もあります。指定の有無は紹介会社によって異なるため、案内に記載がなければ事前に確認してください。
転職エージェントの面談にお金はかかりますか?
原則かかりません。職業安定法32条の3第2項により、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を受け取ることは原則として禁じられています。例外は職業安定法施行規則20条2項が定めるときに限られます。対象は、芸能家・モデルの職業に紹介した求職者と、科学技術者・経営管理者・熟練技能者の職業に紹介した求職者(当該紹介により就いた職業の賃金額が厚生労働大臣の定める額を超える者に限ります)です。この場合でも徴収できる額は、就職後6か月以内に支払われた賃金の11%(免税事業者は10.3%)に相当する額以下と定められています。これらに当てはまらないのに費用を求められた場合や、上限を超える額を求められた場合は、その根拠となる規定を確認してください。
40代・50代でも面談を受ける意味はありますか?
あります。エン株式会社「2026年ミドルの求人動向」調査(2025年11月19日発表/同社『ミドルの転職』を利用する転職コンサルタント170名が回答)では、「2026年は35歳以上のミドル人材を対象とした求人はどのように変化すると思いますか」という設問に対し、81%が「増加すると思う」と回答しました。これはコンサルタントの見通しであり、確定した実績ではありません。実績値では、マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)速報」(2026年1月9日公表/全国の正社員として働く20〜50代の男女2万名へのスクリーニング調査を分母とした割合)で、2025年に転職した人の割合は40代6.8%、50代3.8%(20代12.0%、30代9.0%)でした。同調査の本編(2026年3月23日公表)では、40代・50代の転職が2021年以降右肩上がりで上昇していると報告されています。転職者の割合そのものは若年層より低いものの、市場感を面談で確認する意味はあります。
複数の転職エージェントと面談してもいいですか?
問題ありません。複数社の併用は一般的です。ただし同じ求人への重複応募はトラブルのもとになるため、各社に利用状況と応募状況を共有しておきましょう。
出典・参考データ
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(2026年6月分)」2026年7月31日発表(参照日:2026年8月8日)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74767.html
- エン株式会社「2026年ミドルの求人動向」調査 2025年11月19日発表(参照日:2026年8月8日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001103.000000725.html
- マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)速報」2026年1月9日公表(参照日:2026年8月8日)https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260109_106179/
- マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」2026年3月23日公表(参照日:2026年8月8日)https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260323_108572/
- 職業安定法(e-Gov法令検索、参照日:2026年8月8日)https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141
- 職業安定法施行規則(e-Gov法令検索、参照日:2026年8月8日)https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012
- 個人情報保護法(e-Gov法令検索、参照日:2026年8月8日)https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057
執筆:Via Nova編集部。合同会社Via Novaは、有料職業紹介事業(許可番号 14-ユ-302463)と適性分析サービス「TekiLens/適レンズ」を運営しています。TekiLensは合否を判定するサービスではなく、企業の採用判断を支援する適性分析サービスです。
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合同会社Via Nova(有料職業紹介事業許可番号:14-ユ-302463)

