自社サイトの求人を検索エンジンの求人枠に表示する方法は、3つの条件に集約されます。①求人ごとの個別ページを用意する、②JobPosting構造化データを実装する、③Googleにインデックス登録させる、の3つです。Google検索セントラルの公式ドキュメントが掲載条件として示しているのはこうした技術要件のみで、出稿の申込みや広告費の入札にあたる手続きは登場しません。
合同会社Via Nova(有料職業紹介事業許可番号:14-ユ-302463)は、自社サイト(via-nova.jp)で外部データ連携による求人ページを公開し、そのJobPosting構造化データを保守しています。本記事は、その保守で実際に対応した警告への対処と、Google検索セントラルの公式ドキュメント(参照日2026年8月8日)をもとに、必須プロパティの一覧から実装手順、よくある警告の直し方、更新時の運用ルールまでを整理したものです。
- 掲載条件は「個別URL」「JobPosting構造化データ」「インデックス登録」の3つ
- 必須プロパティはtitle・description・datePosted・hiringOrganization・jobLocationの5つ
- 実装後はリッチリザルトテストとSearch Consoleの求人情報レポートで検証する
- 掲載終了した求人は放置せず、validThroughの期限切れか404でGoogleに終了を伝える
求人を検索エンジンに載せるには何が必要?
必要なのは「求人ごとの個別URL」「JobPosting構造化データ」「インデックス登録」の3つです。
Google検索には、職種名や勤務地で求人を横断検索できる求人枠(Googleしごと検索)があります。求人媒体の広告だけでなく、条件を満たした自社サイトの求人ページも掲載対象です。条件は次の3つです。
- 求人1件ごとに固有のURLを持つ詳細ページがあること(一覧ページだけでは対象外)
- 各詳細ページにJobPosting構造化データが正しく実装されていること
- ページがGoogleにクロールされ、インデックス登録されていること
この求人枠はオーガニック検索結果の一部で、求人媒体のような出稿申込み・掲載料・クリック課金にあたる仕組みは用意されていません。Google検索セントラルの公式ドキュメントにも料金に関する記載はなく、掲載条件として示されているのは上記の技術要件のみです。実際に発生するのは、求人ページの制作と構造化データの実装・保守にかかる工数です。その意味で、求人媒体への出稿と並ぶ独立した応募獲得チャネルとして機能します。採用チャネル全体の中での位置づけは中小企業の採用戦略2026で解説しています。なお、媒体側の運用まで含めて見直す場合は、定額制(月10万円〜、最低3ヶ月、求人広告費は別途)の採用支援・求人媒体運用代行も併せてご覧ください。
JobPosting構造化データとは?
JobPosting構造化データとは、求人情報を検索エンジンが理解できる形で記述する共通規格です。
JobPostingは、schema.orgが定める求人情報専用のデータ形式です。職種名・勤務地・給与・雇用形態などを決められたプロパティ名で記述し、JSON-LDという形式でページ内のscriptタグに埋め込むのが一般的です。
人間には同じに見える求人ページでも、検索エンジンは「どこが職種名で、どこが給与か」を確実には判別できません。JobPosting構造化データは、その対応関係を機械可読な形で明示する仕組みです。
Googleは求人枠に掲載されるための技術要件として、JobPosting構造化データの実装を公式ドキュメントで定めています(Google検索セントラル「求人情報(JobPosting)の構造化データ」、参照日2026年8月8日)。
JobPostingの必須プロパティはどれ?
Googleの必須プロパティは、職種名・仕事内容・掲載日・企業情報・勤務地に対応する5つです。ただし業務時間中つねにリモートで働く求人は例外で、jobLocationの代わりにjobLocationTypeに「TELECOMMUTE」を指定する形が必須要件を満たす記述になります。応募可能な地域を限定する場合は、推奨プロパティのapplicantLocationRequirementsを併記します(記述方法は後述の「よくある質問」を参照してください)。
| プロパティ | 記述する内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| title | 職種名 | 会社名・給与・「急募」などは含めない |
| description | 仕事内容の全文 | HTMLタグ使用可。ページの表示内容と一致させる |
| datePosted | 掲載開始日 | ISO 8601形式(例:2026-08-12) |
| hiringOrganization | 採用企業の会社名 | Organization型のnameに会社名のみを記述し、所在地は含めない。logo・sameAsの追加は任意 |
| jobLocation | 勤務地 | Place型。その中のaddressをPostalAddress型で記述し、addressCountryを必ず含める |
必須5つに加えて、baseSalary(給与)・employmentType(雇用形態)・validThrough(掲載期限)・identifier(求人ID)は推奨プロパティです。未設定でも掲載は可能ですが、Search Consoleに警告が出続けるため、実務上は必須に近い扱いです。
推奨プロパティの記述例は次のとおりです。金額・求人IDは記述例ですので、実データに置き換えてください。
"baseSalary": {
"@type": "MonetaryAmount",
"currency": "JPY",
"value": {
"@type": "QuantitativeValue",
"minValue": 250000,
"maxValue": 320000,
"unitText": "MONTH"
}
},
"employmentType": "FULL_TIME",
"validThrough": "2026-10-31T23:59+09:00",
"identifier": {
"@type": "PropertyValue",
"name": "採用企業名",
"value": "REQ-2026-001"
}なお、descriptionに書く仕事内容は、検索対策の都合だけで決められるものではありません。2024年4月1日施行の職業安定法施行規則の改正により、労働者の募集や求人の申込みにあたって明示すべき事項に、①従事すべき業務の変更の範囲、②就業の場所の変更の範囲、③有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間または更新回数の上限を含む)の3項目が追加されました(職業安定法第5条の3第4項、同法施行規則第4条の2第3項)。ここでいう「変更の範囲」は、雇入れ直後にとどまらず、将来の配置転換等も含めた契約期間中の変更の範囲を指します。
構造化データのdescriptionは、ページに表示している求人本文と一致させるのが原則です。したがって、この3項目を含む求人本文を整えることが、法令対応と構造化データ対応の両方を同時に満たす近道になります。
descriptionに入れる求人本文の質は応募率を左右します。書き方の要点は応募が増える求人票の書き方にまとめています。
JobPostingの実装手順はどう進める?
実装は「JSON-LDの記述→リッチリザルトテスト→Search Consoleで確認」の3ステップで進めます。
手順1:求人詳細ページにJSON-LDを記述します。最小構成の例は次のとおりです。
{
"@context": "https://schema.org/",
"@type": "JobPosting",
"title": "経理スタッフ",
"description": "月次決算の補助を中心に担当していただきます。(実際は仕事内容の全文を記述)",
"datePosted": "2026-08-12",
"validThrough": "2026-10-31T23:59+09:00",
"hiringOrganization": {
"@type": "Organization",
"name": "採用企業名"
},
"jobLocation": {
"@type": "Place",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"addressRegion": "神奈川県",
"addressLocality": "横浜市西区",
"addressCountry": "JP"
}
}
}手順2:公開前にGoogleのリッチリザルトテストへURLまたはコードを入力し、エラーゼロを確認します。エラーは掲載不可、警告は掲載可能ですが、可能な限り警告も解消しておきます。
手順3:公開後はSearch Consoleの「求人情報」レポートで、有効・警告・エラーの件数を確認します。WordPressの場合はSEOプラグインが構造化データを出力することがあり、同一ページに複数の仕組みからJobPostingが二重出力されると意図しない内容が読み取られる原因になるため、出力元は1つに統一します。
あわせて、求人詳細ページに応募フォームを設置する場合は、構造化データとは別に個人情報の取扱いを設計しておきます。応募フォームのように、本人から直接、書面(電磁的記録を含みます)に記載された個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に利用目的を明示しなければなりません(個人情報の保護に関する法律第21条第2項)。
さらに職業安定法第5条の5は、職業紹介事業者だけでなく求人者自身も名宛人として、業務の目的の達成に必要な範囲内で目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集し、収集目的の範囲内で保管・使用することを求めています(同条第2項では、個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じることも定めています)。応募フォームの送信ボタン付近に利用目的を明示し、プライバシーポリシーへの導線を置いておくと、公開後に設計をやり直さずに済みます。
よくある警告はどう直す?
警告の多くは給与や掲載期限など推奨プロパティの未設定が原因で、実データを補えば解消できます。
| 警告・エラー | 主な原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| baseSalaryがありません | 給与情報の未記述 | 金額に幅がある場合はminValue・maxValueで範囲を指定 |
| validThroughがありません | 掲載期限の未設定 | 求人ごとに応募締切日を設定 |
| identifierがありません | 求人IDの未設定 | 社内の求人管理番号をそのまま利用 |
| 解析できない構造化データ | JSONの構文ミス | カンマ・引用符・波括弧の対応を確認 |
| コンテンツの不一致 | ページ表示と構造化データのずれ | ページに表示している値と同じ値に修正 |
編集部が自社サイトの求人ページで実際に対応した警告も、マークアップの記法ではなく、給与・住所・掲載期限といった元データが揃っていないことに起因していました。構造化データの記述を直す前に、求人データ自体が埋まっているかを確認してください。
求人を更新・終了するときの運用ルールは?
募集終了した求人は放置せず、掲載期限の明示・ページ削除・マークアップ削除のいずれかで対応します。
- 募集終了時は「validThroughを過去日にする」「ページを404または410にする」「JobPostingマークアップを外す」のいずれかを実施する
- 終了済みの求人を有効なまま掲載し続けると、Googleのポリシー違反として掲載対象から除外されるおそれがある
- datePostedの更新は、実際に募集を再開したときだけ行う(日付だけの更新はしない)
- 求人内容を変えたときは、ページの表示と構造化データを同時に更新する
掲載終了求人の放置は、Googleのポリシー以前に法令上の問題です。職業安定法第5条の4第2項(求人等に関する情報の的確な表示/2022年10月1日施行)は、労働者の募集を行う者および募集受託者に対し、広告等により労働者の募集に関する情報を提供するときは「正確かつ最新の内容に保たなければならない」と定めています。この「広告等」の範囲は同条第1項の委任を受けた同法施行規則第4条の3第1項が定めており、自動公衆送信装置その他電子計算機と電気通信回線を接続してする方法、つまり自社サイトへの掲載も含まれます。募集を終了した求人ページを有効なまま残しておくことは、この「正確かつ最新」の要請に反します。構造化データの掲載終了処理は、検索対策であると同時に法令遵守の実務でもあります。
求人の入れ替わりが速いサイト向けに、GoogleはページのURLの追加・削除をGoogleへ直接通知できるIndexing APIを提供しています。対象はJobPostingを含むページ、またはVideoObjectにBroadcastEvent(ライブ配信)が埋め込まれたページに限られており、求人ページはその数少ない適用対象の1つです。掲載件数が増えるほど手作業での更新は現実的でなくなるため、求人データベースから構造化データを自動生成する体制づくりが前提になります。
更新のタイミングは、求人内容そのものを見直す好機でもあります。改善の進め方は「売れる求人票」の作り方が参考になります。
よくある質問
JobPosting構造化データの実装・運用でつまずきやすいポイントを、5つの質問に整理して回答します。
JobPosting構造化データを実装すれば必ず求人枠に表示されますか?
いいえ、表示が保証されるわけではありません。構造化データは掲載の前提条件で、実際に表示するかどうかはGoogleのシステムが判断します。エラーがないのに表示されない場合は、インデックス状況と求人内容の充実度を確認してください。
掲載に費用はかかりますか?
Google検索の求人枠はオーガニック検索結果の一部で、求人媒体のような出稿申込み・掲載料・クリック課金にあたる仕組みは用意されていません。Google検索セントラルの公式ドキュメントが掲載条件として示しているのも、構造化データの実装とインデックス登録という技術要件のみです。実際に発生するのは、求人ページの制作と構造化データの実装・保守にかかる工数です。
WordPressのサイトでも実装できますか?
実装できます。SEOプラグインや求人管理プラグイン、カスタムフィールドを使った出力が一般的です。複数のプラグインが同じ構造化データを二重に出力していないかは、リッチリザルトテストで確認してください。
リモート勤務の求人はどう記述しますか?
jobLocationTypeプロパティに「TELECOMMUTE」を指定します。あわせて、応募可能な地域を推奨プロパティのapplicantLocationRequirementsで記述します。完全リモートの求人でjobLocationもjobLocationTypeも記述していない場合は、必須プロパティ不足のエラーとなり掲載対象外になります。jobLocationだけを記述してjobLocationTypeを省略した場合はエラーにはなりませんが、リモート求人として扱われず、リモート勤務で絞り込む求職者に届きません。
実装後のエラーはどこで確認できますか?
Search Consoleの「求人情報」レポートで確認できます。公開前はリッチリザルトテスト、公開後はSearch Consoleという使い分けが基本です。エラーは掲載停止に直結するため、週1回程度の定期確認をおすすめします。
執筆者情報とお問い合わせ
【参考資料(いずれも参照日:2026年8月8日)】
- Google検索セントラル「求人情報(JobPosting)の構造化データ」:developers.google.com
- Google「リッチリザルト テスト」:search.google.com/test/rich-results
- Google「Indexing API クイックスタート」:developers.google.com
- 職業安定法(第5条の3第4項・第5条の4第2項・第5条の5):e-Gov法令検索
- 職業安定法施行規則(第4条の2第3項・第4条の3第1項):e-Gov法令検索
- 厚生労働省「令和6年4月から求人・募集時に明示すべき事項が追加されます」:mhlw.go.jp
- 個人情報の保護に関する法律(第21条):e-Gov法令検索
自社サイトの求人ページと求人媒体をどう組み合わせるかは、採用チャネル全体の設計問題です。ここまで説明したとおり検索エンジンの求人枠には掲載料やクリック課金にあたる仕組みがありませんが、求人ページの制作と構造化データの保守には工数がかかります。外部に任せる場合の費用感を、依頼前に確認できるよう先に示しておきます。
求人ページを含む採用ホームページの制作は、Via NovaのAirワーク採用ホームページ制作で承っています。制作費は10万円〜(5ページ構成・スマホ最適化・基本SEO設定)、制作期間は2週間〜1ヶ月、ページ数は5〜10ページが目安です。オリジナルデザインや求人媒体との連動最適化を含むプランは20万円〜となります。
選び方の目安は、求人ページに何を求めるかで分かれます。採用ホームページを短期間で立ち上げ、応募窓口として使いたいのであればAirワーク採用ホームページ制作が適します。一方、本記事で解説したJSON-LDを求人1件ごとに自分で設計し、プロパティの追加や修正をいつでも自社の判断で反映したいのであれば、ページのHTML出力を自社で制御できる環境、すなわち自社ドメインでの求人ページ構築が選択肢になります。
なお、Airワーク採用ホームページで求人ページの構造化データがどのように出力されるかは、Airワーク(株式会社リクルート)が提供する機能に依存します。当社は他社サービスの内部仕様を推測で断定しないため、最新の対応状況についてはAirワークの公式ヘルプをご確認いただくか、ご相談時に一緒に確認したうえで切り分けます。検索エンジンの求人枠に載せること自体が目的で、構造化データの記述内容まで自社で管理する必要がないのであれば、現在のサイト構成と目的をうかがったうえで、どちらの手段が適切かを整理してご提案します。
ご相談は法人向けお問い合わせフォームから承ります。お問い合わせ内容の選択肢に採用ホームページ・求人ページの制作に対応する項目がないため、「その他・まず相談したい」を選び、本文に「採用サイト・求人ページの制作」とご記入ください。
執筆:Via Nova編集部
合同会社Via Nova(有料職業紹介事業許可番号:14-ユ-302463)

