生成AIを導入したのに社員が使わない。その原因は、ツールの性能ではありません。決まっていないのは次の4つです。「どの業務に使うか(用途)」「誰が進めるか(推進役)」「いつ触るか(時間)」「何をもって成功とするか(評価)」。
解決の方向は1つです。全社一斉に広げるのをやめ、1つの業務に絞って始めます。そこで手応えが出てから、隣の業務へ広げます。
本記事は、契約後・導入後の「運用」だけを扱います。導入前の手順や費用、利用ルールの条文設計、サービスの選定基準は範囲外です。すでにアカウントを配り終えた会社が、明日から何をするかに絞ります。
生成AIを導入したのに使われないのはなぜ?
使われない主因はツールの性能ではなく、用途・推進役・時間・評価の4点が社内で決まっていないことにあります。
商工中金「中小企業の生成AIの利用にかかる調査(2026年1月調査)」(PDF)は、この状況を数字で示しています。対象は商工中金の取引先中小企業(非上場企業が中心)です。調査は2025年12月19日から2026年1月16日にWEBで実施されました。郵送送付先10,772社、有効回答3,892社(回収率36.1%)で、2026年3月31日に公表されています。(同PDF「調査要領」、2026年8月11日参照)
注目すべきは、すでに生成AIを導入・推奨している企業だけを取り出した集計です。同調査は、2つの層を合わせて「生成AI積極活用層」と定義しています。「会社主導で導入している企業」と「会社導入はないが個人登録の生成AIの活用を推奨している企業」の合計で、31.1%です。
その積極活用層のうち1,144社が、課題を尋ねた設問に回答しました。設問文は「貴社の生成AIの導入・推進における課題や活用が進まない/導入しない理由について、あてはまるものをすべて選択してください」です。導入済みの会社が導入後に何で詰まっているかが、下表から読み取れます。
| 導入・推進における課題(積極活用層1,144社・上位項目を抜粋) | 回答率 |
|---|---|
| 従業員の生成AIに関する知識が不足している、心理的な抵抗感がある | 32.1% |
| 生成AIの導入プロジェクトを推進する人材が社内にいない | 26.8% |
| 生成AI利活用に関する社内ルールや方針の整備が追いついていない | 24.8% |
| 一部の部署や職員に知識やノウハウが偏り、社内全体に広がらない | 24.7% |
| 自社業務における生成AIの具体的な活用場面が明らかでない | 21.5% |
| 生成AI利用にかかる情報管理やセキュリティに関する不安が大きい | 19.1% |
| 生成AIの活用方針について、経営戦略や事業戦略に反映できていない | 19.1% |
| 業務プロセスに生成AIをうまく組み込めず、利用が定着しない | 16.3% |
上位に並ぶのは、ツールの機能や価格ではなく人と運用の問題です。以下は、この設問の項目を当社が社員側から見える症状の言葉に置き換えた整理であり、調査そのものの分類ではありません。社内で起きているつまずきは、次の4類型にまとめられます。
- 何に使えるか分からない:自分の担当業務のどこで役立つのか結び付かない(同設問「自社業務における生成AIの具体的な活用場面が明らかでない」21.5%)。
- 指示の出し方が分からない:一度試して期待外れの答えが返り、そこで止まる(同「従業員の生成AIに関する知識が不足している、心理的な抵抗感がある」32.1%)。
- 安全か不安:顧客名や見積金額を入力してよいのか判断できず、手が止まる(同「生成AI利用にかかる情報管理やセキュリティに関する不安が大きい」19.1%)。
- 効果が見えない:使った結果が数字で残らず、続ける理由を社内で説明できない(同「生成AIの導入効果が測定できず、成果が見えにくい」14.2%)。
この4類型は社員側から見た症状で、冒頭に挙げた4点(用途・推進役・時間・評価)は会社側の原因です。①は用途、②③は共有とルール、④は評価の問題に対応します。以下では原因の側を7つの打ち手として順に扱い、最後に3ヶ月の週次スケジュールに落とします。
帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」も近い傾向を示します。2026年5月14日公表の調査です。全国23,349社を対象に2026年3月17日から31日に実施し、有効回答は10,312社(回答率44.2%)でした。その10,312社に、懸念・課題を3つまで選ぶ形式で尋ねた設問があります。同設問の1位は「情報の正確性」で50.4%、次いで「専門人材・ノウハウ不足」41.3%、「生成AIを活用すべき業務の範囲」40.0%でした。(同調査 図表5、母数は有効回答企業10,312社、2026年8月11日参照)
1位の「情報の正確性」は出力そのものの確からしさに対する不安であり、本記事が扱う運用の問題とは別筋です。出力の確認は、社外に出す前に人が読む工程を残すことでしか担保できません。本記事が2位と3位に注目するのは、この2つが社内の決めごとで動かせるからです。誰が進めるか(専門人材・ノウハウ)と、どの業務に使うか(活用すべき業務の範囲)は、明日から着手できます。
「使われていない」はどう測る?
利用率・利用者数・1人あたり利用回数の3つを月次で記録し、前月との差だけを見ると判断できます。
「なんとなく使われていない気がする」という感覚のままでは、打ち手を決められません。数え方を先に固定します。
| 指標 | 数え方 | 月次で見るポイント |
|---|---|---|
| 利用率 | 月1回以上使った人数 ÷ アカウントを配った人数 | 配った数ではなく使った人数を分子に置く |
| 利用者数 | 月1回以上使った人の実数 | 率だけ見ると母数の増減で誤読するため実数も並べる |
| 1人あたり利用回数 | 月間の総利用回数 ÷ 利用者数 | 同じ人が繰り返し使っているかを見る |
3指標を分ける理由は、詰まっている場所が違うからです。利用者数が増えないなら入口の問題、1人あたり利用回数が伸びないなら用途の問題です。
この分け方は、当社が採用支援で使っている工程の切り分けをそのまま持ち込んだものです。採用では、応募が来ていないのか、書類で落としているのか、面接後に辞退されているのかを工程ごとに分けないまま求人票だけを直しても空振りします(参考:「人が来ない」中小企業の正体──採用ボトルネック構造)。生成AIの定着も構造は同じです。入口(利用者数)と深さ(1人あたり利用回数)を分けずに「使われていない」と一括りにすると、本当は用途の設計を直すべき場面でツールの乗り換えを検討することになります。手を付ける対象を1つに絞る順序が効く点も共通します(参考:中小企業の採用は「3つ全部」を直してはいけない)。
判断の基準も先に決めます。「3ヶ月続けて利用者数が増えなければ用途設計を見直す」と決めておけば、毎月の会議で議論が振り出しに戻りません。
注意点が1つあります。世の中の調査で公表される「活用率」は企業単位の数字であり、社員単位の利用率とは分母が違います。帝国データバンクの調査で中小企業32.4%、小規模企業28.0%とあるのは、生成AIを業務で活用していると答えた企業の割合です(同調査 図表1-b、母数は有効回答企業10,312社)。自社の社員利用率と直接比べることはできません。
打ち手1:用途を1業務に絞るには?
頻度が高く、正解の幅が広く、失敗しても戻せる業務を1つだけ選ぶと、最初の用途が決まります。
候補業務を選ぶ条件は3つです。
- 頻度が高い:週に何度も発生する業務を選びます。月1回の業務では、使い方を覚える前に次の機会まで間が空きます。
- 正解の幅が広い:文章の下書きのように、答えが1つに定まらない業務が向いています。計算や法令判断のように唯一の正解がある業務は、検証の手間が効率化を上回りがちです。
- 失敗しても戻せる:社外に出る前に人が必ず確認する工程を選びます。顧客へ直接送る文面を最初の対象にすると、心理的な抵抗が先に立ちます。
3条件を満たしやすいのが、社内向けの文章業務です。商工中金の調査でも傾向は同じです。積極活用層の活用事例は「メールなどの文書生成、報告書や議事録の作成・要約」が74.0%で最多でした。次いで「各種デスクワーク作業の支援・自動化」が48.7%です(同調査P6)。帝国データバンクの調査でも、活用企業3,560社の主な活用業務は「文章の作成・要約・校正」が45.1%で1位でした(同調査 図表2)。
たとえば、営業担当が5名いて訪問報告を毎日書いている会社であれば、最初の用途を「訪問メモから報告書の下書きを作る」1つに固定します。すると1人あたり週5回の練習機会が生まれます。1ヶ月で20回触れば、指示の出し方は自然と身につきます。
逆に避けたいのが、全部署に「何でも使ってみて」と伝える進め方です。対象が広いほど、どの用途が効いたのかを後から判別できなくなり、続けるか捨てるかの判断も下せなくなります。
打ち手2:推進役は誰に任せる?
役職や情報システム担当ではなく、対象業務を毎日こなしている実務者を1人だけ指名するのが基本です。
推進役の不在は、導入後にはっきり効いてきます。商工中金の調査では「生成AIの導入プロジェクトを推進する人材が社内にいない」を積極活用層1,144社の26.8%が挙げました。積極活用層以外(2,522社)では34.3%です(同調査P10)。ここでいう積極活用層以外とは、会社主導での導入も、個人登録の生成AIの活用推奨もしていない企業を指します。同調査では「会社での導入は行っておらず、使用も個人の判断に任せている」が中心ですが、導入準備中・検討中と回答した企業も含まれます。導入の前後を問わず、人が決まっていない状態が壁になります。
打ち手1で選んだ業務を毎日やっている人だけが、出力の良し悪しを即座に判断できます。情報システム担当は設定には強くても、営業報告書の質は評価できません。
ただし、1人に全部を背負わせると続きません。任せる範囲を先に切り分けます。
| 推進役に任せる範囲 | 推進役に任せない範囲 |
|---|---|
| うまくいった指示文を集めて共有する | 利用ルールや禁止事項の最終決定 |
| 月次の利用率・利用者数を記録する | 契約プランやアカウント数の変更 |
| 使い方の質問に週1回まとめて答える | 使わない社員への注意や人事評価 |
| 使われていない用途を報告する | 予算の申請と承認 |
右側は経営層の仕事です。推進役に判断まで丸投げすると、権限がないまま責任だけを負う形になり、数ヶ月で辞退されます。業務時間のうち月2〜3時間を、推進役の作業時間として公式に確保します。時間を配らずに役割だけ配ると、通常業務に押し出されて消えます。
打ち手3:いつ触る時間をどう確保する?
利用を呼びかけるのではなく、対象業務の手順そのものに生成AIを使う工程を1行書き足すと、触る時間が業務の中に埋め込まれます。
時間の不足は、導入済みの会社でも課題として挙がっています。商工中金の調査では「生成AIの導入に必要な予算や時間を確保できない」を積極活用層1,144社の15.5%が挙げました。積極活用層以外では21.1%です(同調査P10)。
つまずきやすいのが「空いた時間に触ってみてください」という伝え方です。通常業務が埋まっている社員に空き時間は生まれません。研修枠を別に設ける方法も、その枠が終われば元の手順に戻ります。時間は、探して確保するものではなく、既存の手順の中に置くものです。
打ち手1で訪問報告を対象に選んだ会社であれば、報告の手順を「訪問後にメモを箇条書きで残す→下書きを作る→自分で直して提出する」に書き換えます。ここまで手順に落とせば、いつ触るかを社員が判断する必要はなくなります。
- 既存の業務時間に置く:新しい会議や研修枠を作らず、いま毎日発生している作業の途中に差し込みます。
- 口頭ではなく様式を直す:呼びかけは人が入れ替わると消えます。手順書・報告様式・チェックリストの文言そのものを変えます。
- 初回だけ余裕を見る:使い始めの1回は手探りになるため、その回に限り通常より時間がかかる前提で予定を組みます。
打ち手2で確保した推進役の月2〜3時間とは別物です。あちらは仕組みを回す側の時間、こちらは使う側が毎日触るための時間です。両方を決めて、はじめて「いつ触るか」が埋まります。
打ち手4:プロンプトを共有資産にするには?
使えた指示文をそのまま貼り付ける置き場を1つ作り、月1回の追加と削除を決めるだけで共有資産になります。
指示文(プロンプト)が個人の頭の中にとどまると、社内格差が広がります。商工中金の調査では「一部の部署や職員に知識やノウハウが偏り、社内全体に広がらない」を積極活用層1,144社の24.7%が挙げました。積極活用層以外では10.2%にとどまります(同調査P10)。導入した会社ほど直面する課題です。
帝国データバンクの調査でも同じ傾向です。活用企業3,560社のうち18.8%が、悪影響として「AIを使いこなせる社員と使いこなせない社員の間で、能力や成果の格差が拡大した」を挙げました(同調査 図表4、複数回答)。
対策は、凝った仕組みではなく置き場の一本化です。
- 置き場を1つに決める:すでに全員が毎日開いているツール(社内チャットの固定投稿、共有フォルダの1ファイルなど)に置きます。新しいツールは増やしません。
- 3項目だけ書く:「業務名」「そのまま貼れる指示文」「出てきた結果をどう直したか」の3つに限定します。項目を増やすと投稿が止まります。
- 加工せずに貼る:うまくいった指示文を清書せずそのまま貼ります。整形を求めると投稿の心理的負荷が上がります。
- 月1回だけ棚卸しする:推進役が月末に、使われていないテンプレートを削除します。増える一方だと探せなくなり、結局使われません。
テンプレート集は「良い指示文の見本市」ではなく「先月うまくいった実例の置き場」です。件数より鮮度を優先します。
打ち手5〜7は何をすればいい?
会社としての本気度を行動で示す、禁止事項を3つに絞る、月次で使われていない用途を捨てる、の3点を同時に進めます。
打ち手5:会社としての本気度を行動で示す
商工中金の調査は、会社主導かどうかで結果が変わることを示しています。積極活用層には、生成AI活用の総合的な評価を尋ねた設問があります。同調査は「経営への大きなインパクトが表れている」と「業務の効率化など、経営へのプラスの効果が表れている」を合わせた層を「経営へのプラスの効果を感じている先」と呼び、積極活用層全体で31.7%としています。そのうえで、「会社による導入」の企業(592社)はこの割合が「個人登録AIの利用推奨」の企業(534社)より10%pt以上高い、と記載しています(同調査P5)。
同調査はこの差を踏まえ、次の可能性を指摘しています。生成AIの活用を経営へのプラス効果につなげるには、会社主導によるトップダウン的なアプローチが必要である可能性です。
ただし、この数値が示しているのは「会社が契約して配ったか、個人アカウントの利用を推奨しただけか」という調達形態による差までです。経営層自身が生成AIを使ったかどうかまでは調べられていません。また、すでに会社としてアカウントを配り終えた会社は、この比較では会社導入の側にすでに入っています。
そこで論点は「会社として本気であることが、社員に伝わっているか」に移ります。以下の2つは、調査結果ではなく、当社が定着支援で有効と考える具体化案です。経営会議の資料の下書きを経営層自身が生成AIで作ること。朝礼や月次会議で「今週これに使った」と実例を1つ話すことです。使えという指示より、使っている姿のほうが伝わります。
打ち手6:禁止事項を短く絞る
ルールが未整備だと手が止まります。商工中金の調査では「生成AI利活用に関する社内ルールや方針の整備が追いついていない」を積極活用層の24.8%が挙げました(同調査P10)。帝国データバンクの調査でも「トラブル時の責任所在などのルール整備」が25.5%です(同調査 図表5、母数は有効回答企業10,312社)。
ただし、分厚い規程を作ってから使い始めると、完成を待つ間に熱が冷めます。運用の初期は、全員が暗唱できる長さまで削ります。
- 入力してはいけない情報を挙げる(例:顧客の氏名・連絡先、未公表の見積金額、人事情報)
- 社外に出す文章は必ず人が読んでから出す
- 判断に迷ったら推進役に聞く(自己判断で入力しない)
3行に絞る狙いは、覚えられる分量にすることです。なお、規程本体の条文設計やチェックリストの整備は、本記事の範囲外です。
打ち手7:月次で使われていない用途を棚卸しする
商工中金の調査では「業務プロセスに生成AIをうまく組み込めず、利用が定着しない」を積極活用層の16.3%が挙げています(同調査P10)。ここで効くのは、機能を足すことではなく捨てることです。
月末に推進役が、先月まったく使われなかった用途を一覧にします。経営層が、その場で「やめる」か「もう1ヶ月続ける」かを決めます。判断を持ち越すと、使われない用途が積み上がり、全体が形骸化します。
用途を10個に広げるより、3個を全員が使う状態のほうが効果は安定します。
3ヶ月の定着スケジュールはどう組む?
12週を準備2週・試行2週・拡大4週・定着4週に分け、週ごとに担当と完了条件を決めて進めます。
| 週 | やること | 担当 | 完了の目安 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 対象業務を1つ選ぶ(3条件で判定) | 経営層 | 業務名が1つに決まっている |
| 2週目 | 推進役を1人指名し、月2〜3時間を確保する | 経営層 | 氏名と作業時間が社内に共有済み |
| 3週目 | 推進役が対象業務で20回試し、指示文を記録する | 推進役 | 使える指示文が3本たまっている |
| 4週目 | 禁止事項3行を決め、テンプレート置き場を作る | 経営層・推進役 | 置き場のURLが全員に配られている |
| 5〜6週目 | 対象業務の手順書・様式に生成AIを使う工程を書き足し、担当者全員に指示文を配る | 推進役 | 手順書が更新され、対象者の半数以上が1回以上使った |
| 7〜8週目 | 経営層が自分の業務で使い、会議で実例を1つ話す | 経営層 | 実例が2回以上共有された |
| 9週目 | 1ヶ月目の利用率・利用者数・1人あたり回数を記録 | 推進役 | 3指標が数値で出ている |
| 10週目 | 使われていない用途を棚卸しし、やめる判断をする | 経営層 | 継続と中止が仕分けされている |
| 11週目 | 隣の業務を1つだけ追加する | 推進役 | 2つ目の業務名が決まっている |
| 12週目 | 3指標を前月と比較し、次の3ヶ月の対象を決める | 経営層 | 差分と次の対象が文書化されている |
要点は、週ごとに「誰が」と「何をもって終わりか」を決めることです。担当と完了条件が空欄の計画は、3週目あたりで止まります。
11週目まで2つ目の業務を足さない点も重要です。1つ目が回る前に広げると、推進役の負荷が倍になり、両方が中途半端になります。
よくある質問
生成AIの社内定着について、経営者と担当者から実際に多い5つの疑問に順番に答えます。
何割が使えば定着と言えますか?
社員の利用率について、公的機関が示す共通の合格ラインはありません。公表されている調査の数値は企業単位の活用率であり、社員単位の利用率とは分母が異なります。自社の前月比で判断するのが実務的です。対象業務の担当者に限って利用率を数え、3ヶ月続けて下がらなければ定着に向かっていると判断できます。
使わない社員に強制すべきですか?
強制するかどうかを議論する前に、対象業務の手順そのものを書き換えてください。手順に組み込まれていれば、使うかどうかは個人の意欲の問題ではなくなります。そのうえで、使用回数を人事評価に直結させる運用は避けます。回数稼ぎの利用が増え、3指標が実態を映さなくなるためです。手順を変えてもなお使われない場合は、意欲ではなく用途の選び方を疑ってください。発生頻度が低い業務や、答えが1つに定まる業務を対象にしている場合、使わないほうが速いという社員の判断のほうが合理的です。
研修は必要ですか?
座学の集合研修より、対象業務に絞った短い実演のほうが効果的です。全社員向けに一般論を1時間説明しても、自分の業務と結び付かなければ翌日には使われません。推進役が自分の画面で実際の業務を15分見せ、その場で各自に1回やってもらう形を月1回繰り返すほうが定着します。
効果はどう社内報告すればよいですか?
削減時間の推計だけで報告すると、根拠を問われて議論が止まります。3指標(利用率・利用者数・1人あたり利用回数)の前月比を先に示し、次に対象業務での具体的な変化を1つ添える形が説明しやすい構成です。たとえば「報告書の下書きにかかる時間が何分から何分になったか」を担当者に実測してもらい、その1件を添える形で十分です。推計値を全社分に積み上げる方法は、前提を1つ崩されると報告全体が使えなくなります。
ツールを変えれば解決しますか?
使われない原因が用途・推進役・時間・評価の未整備にある場合、ツールを変えても同じ状態が再現します。乗り換えを検討する前に、対象業務を1つに絞って推進役を指名し、3指標を3ヶ月記録してください。それでも利用者数が増えないときに、初めてツール側の要因を疑う順序が合理的です。
執筆者情報とお問い合わせ
合同会社Via Novaは、HEROZ株式会社(東証スタンダード:4382)の正規代理店です。生成AI「HEROZ ASK」の導入支援を行っています。
費用の条件を先に開示します。導入サポートが付くProプランは、月額3,000円(1ユーザーあたり)、初期費用100,000円です。表示はいずれも税抜で、利用期間は12ヶ月が条件となります。導入サポートを付けないプランもあります。Smallは月額1,000円・初期費用50,000円です。Businessは月額1,000円・初期費用100,000円です。月額はいずれも1ユーザーあたりです。
用途の選定、推進役の役割設計、3指標の記録方法を含めて相談したい場合は、HEROZ ASK 導入支援のページで内容をご確認ください。
お問い合わせは法人向けお問い合わせフォームから承ります。フォームのステップ1「ご用件」では「その他・まず相談」を選び、ステップ2の「ご相談内容(補足)」欄に『生成AI導入について』とご記載ください。担当者が内容を確認してご連絡します。
本記事は、2026年8月11日時点で公開されている一次資料と自社の公開価格をもとにVia Nova編集部が整理したものです。導入効果を保証するものではありません。
出典
- 商工中金「中小企業の生成AIの利用にかかる調査(2026年1月調査)」(PDF)(2026年3月31日公表、2026年8月11日参照)……調査要領(調査期間2025年12月19日〜2026年1月16日、対象は当金庫取引先中小企業、郵送送付先10,772社・回収率36.1%・有効回答3,892社、WEB回答)はP15、生成AIの導入状況(積極活用層31.1%)はP4、総合的な評価(経営へのプラスの効果を感じている先31.7%、会社導入n=592/個人登録n=534)はP5、活用事例(メール等の文書生成74.0%、デスクワーク支援48.7%)はP6、導入・推進における課題の活用状況別集計(積極活用層n=1,144/積極活用層以外n=2,522)はP10、選択肢の正式文言は調査票P17に基づきます。
- 帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」(2026年5月14日公表、2026年8月11日参照)……調査期間2026年3月17日〜31日、対象23,349社・有効回答10,312社(回答率44.2%)。活用率(中小企業32.4%・小規模企業28.0%)は図表1-b、主な活用業務(文章の作成・要約・校正45.1%、母数は活用企業3,560社)は図表2、悪影響(使いこなし格差の拡大18.8%、母数は活用企業3,560社)は図表4、懸念・課題(情報の正確性50.4%、専門人材・ノウハウ不足41.3%、活用すべき業務の範囲40.0%、ルール整備25.5%。3つまでの複数回答、母数は有効回答企業10,312社)は図表5です。
- 合同会社Via Nova「HEROZ ASK 導入支援」(2026年8月11日参照)……本記事に記載した各プランの月額・初期費用、および「利用期間12ヶ月・税抜」の条件の出典です。
執筆:Via Nova編集部
合同会社Via Nova(有料職業紹介事業許可番号:14-ユ-302463)

